温泉の説明
「地中から湧出する温水、鉱水および水蒸気、その他のガス (炭酸水素を主成分とする天然ガスを除く)で湧き出し口での温度が摂氏25度以上のものか、 鉱水1Kgの中に定められた量以上の物質が含まれるもの」が「温泉法」 では温泉と定義されています。従って、湧出口での温度が25度以上のものはすべて「温泉」となり、 また定められた19種の物資のひとつが規定量以上含まれていれば25度以下の冷鉱泉も「温泉」 と言えます。効能で有名な有馬温泉「銀の湯」も冷泉で含有物に効能があれば温泉となるわけです。 温泉といっても多種多様で、その泉種により、効能や入り心地が異なります。
泉質と効能
   ○ 単 純 温 泉
<単純温泉、アルカリ性単純温泉>
無色透明・無臭で含有物濃度も低い。刺激が弱く肌にやさしく「名湯」といわれるものも多い。 Ph値によってアルカリ性単純温泉、弱アルカリ性温泉などに分類される。

   ○ 二酸化炭素泉
<単純二酸化炭素泉>
湯に炭酸ガスが溶け込んだ温泉。炭酸ガスが肌にまとわりつき心地よい刺激が感じられる。 抹消血管が拡張され血圧降下の効果があり、保温効果も高い。飲用すれば胃腸を活性化し。 便秘にも効果がある。
   ○ 炭酸水素塩泉
<カルシューム(マグネシューム)・炭酸水素塩泉、含二酸化炭素・ カルシューム(マグネシューム)・炭酸水素塩泉、カルシューム(マグネシューム) ・ナトリューム炭酸水素塩・塩化物泉、カルシューム(マグネシューム)・ ナトリューム炭酸水素塩・硫酸塩泉、ナトリュ-ム炭酸水素泉、ナトリュ-ム・炭酸水素泉、 含二酸化炭素・ナトリューム・炭酸水素塩泉、ナトリューム・炭酸水素塩・塩化物泉、 ナトリューム・炭酸水素塩・硫酸塩泉、ナトリューム・カルシューム(マグネシューム) ・炭酸水素塩泉、ナトリューム・カルシューム・塩化物・炭酸水素塩・硫酸塩泉、含ヨウ素・ ナトリューム・塩化物泉>
ヌメヌメした感触で、肌が滑らかになる。美肌効果があるほか、飲用すれば便秘にも効く。 カルシューム(マグネシューム)・炭酸水素塩泉は、浴用で消炎作用や鎮静作用があり、 皮膚病やアレルギー性疾患、慢性胃腸病や糖尿病に効果がある。 飲用すれば消化を促進し、利尿作用もある。
   ○ 塩 化 物 泉
<ナトリューム・硫酸塩泉、含二酸化炭素・ナトリューム・塩化物泉、 ナトリューム・塩化物強食塩泉、ナトリューム・塩化物・炭酸水素塩泉、ナトリューム・塩化物・ 硫酸塩泉、ナトリューム・塩化物・硫酸塩・炭酸酸素塩泉、ナトリューム・ カルシューム(マグネシューム)・塩化物・炭酸酸素塩泉、ナトリューム・カルシューム・ 塩化物・炭酸酸素塩・硫酸塩泉、含ヨウ素・ナトリューム・塩化物泉>
なめるとしょっぱく、海岸付近に多い。浴用すれば肌に付着し、保温効果がある。 関節痛・筋肉痛に良く、うがいをすればノドの消炎効果がある。飲用すれば胃腸病によい。
   ○ 硫 酸 塩 泉
<硫酸塩泉、マグネシューム・硫酸塩泉、ナトリューム・硫酸塩泉、 カルシューム・硫酸塩泉、ナトリューム・硫酸塩・塩化物泉、カルシューム・ナトリューム・ 硫酸塩・塩化物泉、マグネシューム・ナトリューム・硫酸塩・塩化物泉、>
<ナトリューム・硫酸塩泉>いわゆる芒硝泉は主に飲用に用いられる。 胆汁の分泌を促進し、肝臓病、胃腸病、胆のう炎、便秘に効く。
<カルシューム(・ナトリューム)硫酸塩(・塩化物)泉>いわゆる石膏泉は、 浴用すれば鎮静・収歛作用があり、高血圧症、動脈硬化症、神経痛のほかリューマチ、 痛風、痔疾、やけど、外傷に効果がある。飲用すれば、消化を促し、利尿作用もある。
<マグネシューム(・ナトリューム)硫酸塩(¥塩化物)泉>いわゆる正苦味泉は、 高血圧症や動脈硬化症の予防に効果があるといわれる。浴用では、神経痛、リューマチ、 飲用では肝臓病や胃腸病に効果がある。

   ○ 含  鉄  泉
<単純鉄(2)泉(炭酸水素塩型)、含鉄・二酸化炭素・カルシューム・ 炭酸水素塩泉、カルシューム(マグネシューム)・鉄(2)炭酸水素塩泉、含鉄(2)・ カルシューム・マグネシューム・炭酸水素塩泉、含鉄(2)・カルシューム(マグネシューム) ・炭酸水素塩泉、カルシューム(マグネシューム)・ナトリューム・鉄(2)・炭酸水素塩・ 塩化物泉、含鉄(2)・カルシューム(マグネシューム)・ナトリューム・炭酸水素塩・硫酸塩泉、 ナトリューム・鉄(2)・炭酸水素塩泉、含鉄(2)・炭酸水素塩泉、ナトリューム・鉄(2) ・炭酸水素塩・塩化物泉、、ナトリューム・鉄(2)・炭酸水素塩・硫酸塩泉、含鉄(2)・ 炭酸水素塩・硫酸塩泉、ナトリューム・カルシューム(マグネシューム)・鉄(2)・炭酸水素塩泉、 含鉄(2)・ナトリューム・カルシューム(マグネシューム)・炭酸水素塩泉、ナトリューム・ 鉄(2)・塩化物・炭酸水素塩泉、含鉄(2)・ナトリューム・塩化物(・炭酸水素塩)泉、 ナトリューム・鉄(2)・硫酸塩・炭酸水素塩泉、含鉄(2)・ナトリューム・硫酸塩・塩化物 (・炭酸水素塩)泉。単純鉄泉、酸性・・鉄(2)・硫酸塩泉、含ヒ素・鉄(2)・硫酸塩泉、 アルミニューム・鉄(2)・硫酸塩泉、含鉄(2)、アルミニューム・鉄(2)・硫酸塩泉>
鉄以外に含まれる成分により細かく分類される。
<含鉄・○×泉>いわゆる鉄泉は空気に触れると、酸化し茶褐色に濁る。 飲用すれば貧血症に効果があるが、酸化前の無色のものの方がよい。
<○×・鉄・硫酸塩泉>いわゆる緑礬泉は鉄分を主成分とするが、硫酸塩を含み強い酸性をしめす。 緑色に濁った湯はいかにもきつそうに見える。殺菌作用があり、浴用では皮膚炎、 飲用では貧血症に効果がある。

   ○ 硫  黄  泉
<単純硫黄泉、含硫黄・ナトリューム・塩化物泉、含硫黄・ナトリューム・ 塩化物・炭酸水素塩泉、単純硫黄泉(硫化水素型)酸性・含硫黄(ナトリューム) (硫酸塩)泉(硫化水素型)、含硫黄(ナトリューム)(・硫酸塩)泉(硫化水素型)、 含硫黄・カルシューム(マグネシューム)炭酸水素塩泉(硫化水素型)、含硫黄カルシューム (マグネシューム)・ナトリューム・炭酸水素塩・塩化物泉(硫化水素型)、 含硫黄カルシューム(マグネシューム)・炭酸水素塩・塩化物泉(硫化水素型)、 含硫黄カルシューム(マグネシューム)・ナトリューム・炭酸水素塩・塩化物泉(硫化水素型) 含硫黄・ナトリューム・炭酸水素塩泉(硫化水素型)、含硫黄・ナトリューム・炭酸水素塩・ 硫酸塩泉(硫化水素型)、含硫黄・ナトリューム・塩化物泉(硫化水素型)、 含硫黄カルシューム(マグネシューム)塩化物泉(硫化水素型)、 含硫黄・ナトリューム・塩化物・炭酸水素塩泉(硫化水素型)、 含硫黄・ナトリューム・カルシューム・塩化物・炭酸水素塩泉(硫化水素型)、 含硫黄・カルシューム・硫酸塩泉(硫化水素型)、含硫黄・ナトリューム・硫酸塩・ 塩化物泉(硫化水素型)、含硫黄・カルシューム・ナトリューム・硫酸塩・ 塩化物泉(硫化水素型)>
硫黄や硫黄と水素の化合物-硫化水素を主成分とする。空気に触れると酸化し白濁色になり、 独特の臭気が漂う。成分が薄いものは白濁せず、硫黄臭もほのかに感じる程度のものもある。 硫黄泉は特に皮膚病に効く。しかし、刺激が強いので、肌の弱い人や高齢者は要注意。 また、慢性の場合逆効果を招くこともあり、また硫黄泉には興奮作用がある。
   ○ 酸  性  泉
<単純酸性泉>
日本特有の泉質だが数は少ない。殺菌力が強く、肌に強い刺激がある。 梅毒の治療に効果があり、また頑固な水虫や湿疹にもよく効く。
   ○ 放 射 能 泉
<単純放射能泉、含(弱)放射能○○泉>
主成分はラドンまたはトロン。浴用すれば湯気から成分を吸収し、鎮静作用があるので、 ノイローゼの治療にも効果がある。高血圧症や動脈硬化症、更年期障害にもよい。 新陳代謝を促進し、浴用・飲用を併用すれば一層の効果がある。